Paul Pottsにちなんで思う。

puru22008-06-07

 最近、某TV番組を見てから〜興味をもっているのが
Paul Potts」。

 彼はイギリスのSouth Wales出身で、小さい時から
シャイで、旧友からいじめを受けたりとつらいときが
あったようだが、その彼には一つの夢があった。


 それは「歌を歌うこと」だった。つらいときにふと
立ち寄った店で買ったレコード。そこから湧き出る
オペラの声に彼は魅了され、そこから力を得るように、
いつしか歌を口ずさむようになる。

 しかし人知れず歌の練習をしていたとき、級友に
からかわれ、それでまた深いショックを受け、夢をあきらめ
かけていた。

 その後会社に就職してから、彼は夢をあきらめられず
〜アマチュア歌劇団に入り、夜はボイストレーニング
通う。それには経済的に負担がかかるため、通勤には
自転車を使って交通費を浮かし、トレーニング代に
あてる。

そんな中、彼にはネットを通して意気投合し、結婚に至っ
た妻があった。

家庭を営む上で、レッスン代はさらなる負担となる。

それでも妻は文句一つ言わず、彼が歌を歌うために
仕事を増やしたりと、献身的にバックアップする。

そんな妻があるとき、TVを見、
「いつかハワイに行きたい」

その言葉に負い目を感じ、彼は自分の夢をあきらめ
封印しようとする。その後彼は携帯の販売をする仕事に就く。

 あるとき、ネットで「Britain Got Talent」という番組の
CMを目にする(以下BGT)。それはイギリス中から才能をもった
人たちをオーディションし、時には辛らつな言葉で批評し、
観客を楽しませるという番組だった。その広告を目にし、
・・・思わず彼は応募してしまう。・・・妻には内緒で。

 彼は思ったのだ。
「一度でいいから、大舞台で歌ってみたい」と。

でも、これ以上妻に負担をかけるわけにはいかない。
彼は自分の夢を封印し、仕事にあけくれる。

ある日、帰宅するなり妻が
 「あなたに話したいことがあるの。」

 「なぜ私に教えてくれなかったの?」

 机に置いたのは、応募に通ったという知らせ。

「ぜひ歌ってちょうだい。」
「私はあなたが歌っている姿がとてもすきなのよ」

 彼は妻の応援を得て、オーディションに参加する。

 当日、よれよれのスーツ。クリティカルな審査員3人。
その前に立った彼に、「で、あなたは何をやるの?」

「オペラ・・・です」

 会場の誰もが、この風貌の冴えない男が何を始めるのか、
と興味津々。そんな中、この男が棒立ちで歌い始める・・・

 「・・・・・」

 歌いだし。ピクリと表情を変える審査員。・・・
サビに入る。・・・思わず沸き起こる拍手、歓声。
ピーク。・・・立ち上がる観客たち。

 その歌声は、その風貌を打ち破り〜観客の心を魅了した。

 引きつけられた審査員たち。その3人がすっかり
彼の歌声に魅了されて・・・いた。

「Absolutely,YES!」

 酷評を下すかと思われた審査員の口々から出た
賞賛の言葉。

 彼は見事、予選を通過する。

 その後の彼は、予選を勝ち進み、とうとう
No.1に輝く。最終オーディション後のコメント。
「来週の月曜日に、レコーディングをしたいのだが」
オファーを受ける。

私はなぜこの話を聞いて、心を動かされるのだろう。

 それはきっと、彼がAmerican DreamならぬBritain Dream
を勝ち取ったということ、よりもむしろ、辛い経験を経、
なんどかあきらめそうになって、「でも」その思いが報われた
という奇跡を私達が目にするからではなかろうか。

 なんとも言葉には言いがたいの・・・だが。

人には誰にでも、その人にしかない「タレント」が備わっている。

 私達にはたとえ自分ではできない、と思っていても。

そんな私達にできることは、一体なんなのだろうか。

目の前の状況がもう無理だから・・・といってあきらめ、夢を
捨てる・・・ことなのだろうか。

 もしそのタレントがその人にとって、本当に活かすべき
ものであるなら・・・、私達を造られた神様はおそらく無理やり
にでもその人をある状況に押し込め給う、のではなかろうか。

 私たちにははじめは一体何が起こっているのかはわけも
わからない。しかしながら、そのうちいつしか私たちは・・・
その中で・・・少しずつ・・・生かされている自分を発見し、見出して
いくのではないか。

 私たちの主なる神様のご計画は、私達にとってははるかに
高く、想像もつかない。

しかしながら私達がたとえグチをこぼしながらであったと
しても・・・自らの状況を真正面から引き受け、生きていくときに、
神様は私達に〜目には見えないかもしれないが、なにかしらの〜
プレゼントを与えてくださっているのではなかろうか。

 ひとりひとりにとって、かけがえのないものを。

 たとえそのプレゼントが見た目には・・・何もなかったとしても、
そしてたとえ・・・なにも変わらなかったとしても、現実に起こって
いるであろう・・・なにかに、心の目を研ぎ澄まし目を留めるものと
・・・させられたい。

 ひとりひとりにとって居てくださるであろう、方に、思いを留めて。

 なお、以下↓参考にされたい。
http://labaq.com/archives/50811792.html