槍ヶ岳登山(下山)3日目

下山に備えて、念のためキネシオテープを膝の上下、ふくらはぎの
裏側に3本づつ張っていただく。前回穂高下山の際、膝が笑ってしまった
ため、その防止策。

朝4:30に起床。朝食6:00。朝の礼拝が5:15からなのでその間に朝日を
見た。雲は多少出ていたものの、部屋の中から眼下に連なる山並み、
それより朝陽が照り始めた。また、山並みのうちからひときわ
立ち上るかなとこ雲があり、その麓には富士が鎮座。

槍ヶ岳山荘6:30→7:30坊主の岩屋
 出発前に記念撮影をし、傾斜の険しい斜面を下る。早速であるが、
用心のため早くもスティックを使う。下るときは登りの3倍の速さで
あれよあれよと降りていく。すこしきつめの朝のウォーミングアップ。

坊主の岩屋→10:30槍沢ロッジ
 そのうち緑も増え、虫も顔に向かってきた。一度「取り付かれる」と
虫はしつこくつきまとう。次は虫除けをつけた方が良いのかと思い、
傾斜が早く緩くならないだろか、と早速考え始めている。
 槍沢の石は上流では大きめであるように思えた。適宜休憩をはさむ。

槍沢ロッジ10:50→11:20槍見沢付近
 ロッジに到着も「ヘリが来ますので中に入ってください」とのこと。
燃料等のドラム缶を運んできたようだ。ヘリが接近時は突然の砂ふぶき
という感じ。玄関で見ていた人たちが慌てて中に入ってきた。

 ここにて先日中断して泊まっていた2人とおちあった。すっかり顔色
もよく、元気になっていたのでひと安心。

 幾らか歩いているうちに、清流の流れる河岸にて朝食。今後下山に
向けての鋭気をひととき養う。槍ヶ岳山荘で買ったお弁当は炊き込みご飯。
竹の皮に包まれた四角い塊。

 この時、ウクライナの男性が登ってきて思わぬしばし歓談。神戸で
教師をされているとか、単独で槍に向かうようだ。

槍見沢付近→12:35横尾山荘
 いつ頃出発したか不明だが、その後横尾へ向かって下山。道は槍沢沿い。

横尾山荘12:50→13:35徳沢ロッジ
 徳沢でついに「氷壁」を買った。しばらくショーウィンドウの中にあって
雨に濡れたためなのか本は浸みていた。取り替えてもらおうかもと思ったが、
記念に買ったままに。また、ここではアイスクリームを買ってみんなで食す。

徳沢ロッジ14:05→14:50明神
 道はいよいよ樹林地帯に。途中で猿の集団が出てきたのでちょっと
びっくり。中に赤ちゃん猿がいてとても可愛らしかった。群れは10匹以上
はいる感じ。同行の先生二人が少し大きな声で驚いて話していたので、
猿を刺激しまいかとハラハラしたが、猿には引っかかれも「かみつかれ」もせず、
ひと安心。とにかく通常より速いペースで進んでいる。

明神15:05→15:50上高地バスターミナル
 明神では「観光客」の人たち。ヒールをはいている人たち。それはそうと、
ついに「明るいうちに」下山が出来た。昨年は隊の中で調子の悪い子がいた
ため、夜遅くになってしまった。今年は心配されたほど台風の影響はなく、
無事に到着することが出来た。

上高地バスターミナル→中の湯温泉
 一同タクシー3台に分乗してイザ宿へ。我がタクシーの運転手はなんだか
機嫌の悪そうな方。他になにかしたいことがあったのだろうか・・・。単に
観光に来たわけじゃないのになーと思いつつ(苦笑)。とにかく、疲れがでて
しまったのか、ついウトウトと寝てしまった。
 
中の湯温泉にて
 とにかくまずゆっくり温泉につかって骨を休めることが出来た。
足に貼っていたテープがどうも肌には合わなかったらしく、貼って擦れた
ところが少し鳥肌状に腫れていた。意外と肌が弱いらしいと自覚。その後、
昨年もそうであったが、お料理をおいしくいただいた。特に寄せ豆腐と
カニ入りの茶碗蒸しがとてもおいしかった。

 夜になり、段々と風と雨が出てきた。ついうたた寝をしてしまい、夜中
2時ごろに目を覚ましたときには、それなりに雨が降っていた。台風の影響だろう。
お湯は私にとっては少し暑めではあったのだが、疲れた足に大分効いた
らしく、筋肉痛はそれほどきつくはならずに済んだ。今回の下山では途中で
膝が笑いかけた時はあったのだが、テープを貼ったこと・早めにステッキを
使ったこともあって「歩けない」ほどではなかった。有り難いこと。